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2006年10月

2006年10月30日

労働基準法上の賃金

労働基準法第11条
「労働基準法で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他
名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働
者に支払うすべてのものをいう。」
とあります。

労働基準法の賃金に該当するか否かは、
賃金に関する保護規定の適用対象になるかどうか
に影響するので重要です。

同じ退職金という名目であっても、
使用者が任意的・恩恵的に支払うものは賃金ではありませんが、
あらかじめ支給条件が労働協約・就業規則・労働契約等によって
明確になっているものについては、賃金とみなされるので、
注意が必要です。

2006年10月29日

解雇理由の証明書

労働基準法は、退職時の証明書とは別に、
解雇理由の証明書についても規定しています。

労働基準法第22条2項
「労働者が、解雇の予告がされた日から退職の日までの間
において、当該解雇の理由について証明書を請求した場
において、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければなら
ない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該
解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、
当該退職の日以後、これを交付することを要しない。」

解雇の理由は具体的に記入する必要があります。
就業規則に基づく解雇の場合は、
該当する条文の条項・内容、該当するに至った事実関係
を記入する必要があります。

※注意点
退職時の証明書、解雇理由の証明書ともに、
社員の請求していない事項を記入することは認められません。

2006年10月28日

退職時の証明書について

労働基準法第22条第1項
「労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、
その事業における地位、賃金又は退職の自由(退職の事由
が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証
明書を請求した場合において、使用者は、遅滞なくこれを
交付しなければならない。」

会社側は退職者から請求があった場合、拒むことはできません。
また、退職時の証明書は雇用保険の離職票とは別のものです。
離職票を交付したことを理由に拒むことはできないので、
注意してください。

退職者は、退職と同時に証明書を請求することは当然できますが、
退職後に請求することもできます。
請求回数に制限はありませんが、
証明書の請求権は2年経過すると消滅してしまうので注意が必要です。

※注意点
この退職時の証明書に社員の請求していない事項を記入することは
認められません。
例えば、退職時の証明書を請求された場合、
退職の事由や解雇の理由は、
本人が希望しない場合は記入することはできません。
あくまで請求された範囲内での交付となります。
退職時の証明書は、会社の義務ではなく、あくまで労働者のための
権利だからです。
請求された範囲内で会社側に義務が生じます。

2006年10月27日

未成年者の労働契約

未成年者の労働契約に関して労働基準法は以下のように
定めています。

労働基準法第58条1項
「親権者又は後見人は、未成年者に代わって労働契約を
締結してはならない。」
同2項
「親権者もしくわ後見人又は行政官庁は、労働契約が未
成年者に不利であると認めれれる場合においては、将来
に向かって
これを解除することができる」

(参考)
民法第5条1項
「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意
を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務
を免れる法律行為については、この限りでない」
同2項
「前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる」

民法上の取消しは取消権行使により契約時にさかのぼって無効
となります(遡及効)が、未成年者保護の観点から、
労働基準法では「将来に向かって」と修正されています。

行政官庁に解除権を与えているのも特徴です。
ちなみに学校長はこの行政官庁には該当せず、
解除することはできません。

2006年10月26日

労働条件の明示事項

会社は、労働契約の締結の際に、
一定の事項を明示する必要があります。
明示事項は下記のとおりです。

機”ず明示しなければならないもの(絶対的記載事項)

]働契約の期間に関する事項
⊇業の場所及び従事すべき業務に関する事項
始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、
休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて終業
させる場合における終業時転換に関する事項
つ其(退職手当、臨時に支払われる賃金、賞与等を除く)
の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期
並びに昇給に関する事項
ヂ狄Δ亡悗垢觧項(解雇の事由を含む)

※昇給に関する事項以外は書面交付が必要です。

供…蠅瓩ある場合に明示しなければならないもの

‖狄手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
⇔彁に支払われる賃金(退職手当を除く)、賞与等
O働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
ぐ汰患擇啀卆犬亡悗垢觧項
タΧ鳩盈に関する事項
災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
表彰及び制裁に関する事項
┻擔Δ亡悗垢觧項

※兇砲弔い討聾頭でも構いません。

2006年10月25日

労働契約の有効性

労働基準法に反する労働契約が締結された場合の効力は?

この場合、労働契約全体が無効となるのではなく、
違反する部分についてのみが無効となります。
いわゆる部分無効です。
さらに、無効となった部分は労働基準法の規定が適用されます。
法的安定性を重視した規定と言えるのかもしれません。

根拠条文は、労働基準法第13条
「労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は
その部分については無効とする。この場合において、無効になった部
分は、労働基準法に定める基準による。」

これとよく似た規定がもう一つあります。
労働基準法93条
「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、
その部分について無効とする。この場合において無効となった部
分は、就業規則で定める基準による。」

この2つの条文から、労働契約は労働基準法にも就業規則にも拘束
されることがわかります。

この2つの条文を整理すると、
]働基準法や就業規則に反する労働契約を締結した場合には、
全体が無効となるのではなく、違反した部分のみが無効となります。
違反した部分いついては、当然に労働基準法あるいは就業規則
の規定の内、条件の良い方が自動的に適用されることになります。

これは会社側にとっては実は注意すべき条文です。
会社が考えていた内容とは異なる基準が適用される場合がある
からです。
就業規則が古かったり、市販モデル規則を使用している場合は
とくに注意してください。

企業のCSR(社会的責任)が問われる時代です。
労働基準法や就業規則をきちんと把握しておくことが企業
防衛の観点から必要ではないでしょうか。

2006年10月24日

労働契約〜賠償予定の禁止

労働基準法第16条
「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は
損害賠償を予定する契約をしてはならない。」

一方、民法上は、
民法420条1項前段
「当事者は債務の不履行について損害賠償のを予定するこ
とができる。」
同3項「違約金は、賠償額の予定と推定する」となっています。

実際、損害賠償の額を予定した契約や、違約金を事前に定めた
契約はよく行われます。
当事者が合意すれば問題ありません。(私的自治の原則)

にもかかわらず、労働基準法はこれを禁止しています。
なぜですか??

民法はあくまで対等な当事者間による契約を前提としています。
これに対して、労働基準法は違います。
契約当事者である「使用者」と「労働者」は対等ではないことが
大前提です。
だからこそ労働基準法の存在意義があるとも言えます。

契約当事者が対等でない場合は、当然のことですが、
弱い立場の側が不利になります。
ですから民法上認められていることでも、
労働基準法上は認められないという不一致が生じます。

なお、現実に生じた損害について会社が社員に請求することは
何ら問題ありません。

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2006年10月23日

労働基準法上の「労働者」と「使用者」

労働基準法上第9条
「労働者とは、職業の種類を問わず事業又は事業所に使用
される者
で、賃金を支払われる者をいう。」

具体的には、
個人事業の事業主、法人の代表取締役等は「労働者」に該当しません。
「使用者」に該当します。

(参考)労働基準法第10条
「労働基準法で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者
その他その事業の労働者に関する事項について、事業主の
ために行為をするすべてのものをいう。」

労基法上の「労働者」に該当するか否かは、
労働基準法で保護される対象になるか否かに結びつくため重要です。

判断が難しいのが、いわゆる管理職です。

部長や課長等の肩書きをつければ、
労働基準法上の「使用者」に該当するという考えは誤りです。
「労働者」に該当するのか、「使用者」に該当するのかは
あくまで実質的に判断されます。

単に上司の命令の伝達者にすぎないような場合、
言い換えると、実質的に一定の権限を与えられていない場合は、
たとえ部長や課長等の役職であっても、
「使用者」とはみなされない場合がありますので注意してください。

※なお、労働基準法上の労働者と労働組合法上の労働者とでは
若干定義が異なりますので注意してください。
これはそれぞれの法律の趣旨が必ずしも同一でないため、
法の適用範囲もおのずと異なってくるためです。

2006年10月22日

「伊藤真の憲法入門」

今日は憲法についてです。
社会保険労務士と憲法、どのような関係があるのでしょうか??
実は大いに関係があります。

社労士試験には憲法という科目がありません。
だから憲法を学ばなくていい、そんなことはないです。
憲法の思想、憲法と法律の違い、憲法判例等々、
やはり一度じっくり考えてみる必要があります。

憲法について少し勉強してみたいと思ったときに、
おすすめの本は、伊藤真の憲法入門―講義再現版です。

一度読んでみて損はないかと思います。
ちなみに、この本は私が司法試験を目指すきっかけになった本です。



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